Google AI Studioだけでアプリをゼロから作ってWeb公開できるようになる
ターミナル操作はほぼ不要です。操作の90%はブラウザ(Google AI Studio)とエディタ(Cursor)上で完結します。わからなくなったらスクショを撮ってAIに「どうすればいいですか?」と聞いてください。
Phase 1: アプリの設計とコード生成(Google AI Studio)
STEP 1-1: アプリのアイデアを整理して要件をまとめる
コードを生成する前に「何を作るか」を言語化します。AIへの指示が明確になるほど、生成されるコードの精度が上がります。以下の要件整理シートをコピーして使ってください。
【アプリ名】 (例: 自己紹介ページ / Todoリスト / タイマーアプリ) 【このアプリで何ができるか(機能)】 1. 2. 3. 【デザインのイメージ】 - 全体の雰囲気: (例: シンプル・ミニマル / カラフル・ポップ) - メインカラー: (例: 青系 / モノクロ) - 表示するデバイス: PCのみ / スマートフォンでも使いたい(レスポンシブ対応) 【使う人(ターゲット)】 (例: 自分だけ使う / 友人に見せる / 不特定多数に公開する) 【入れたいコンテンツ(テキスト・画像など)】 - -
最初から完璧なアプリを作ろうとしないでください。「最低限動く状態を作る → 少しずつ改善する」のサイクルで進めます。課題Aの「自己紹介ページ」は最もシンプルで失敗しにくいのでおすすめです。
⚠️ このSTEPでつまずいた場合
何を作ればいいかわからない
→ まずは「自己紹介ページ」から始めましょう。自分の名前・趣味・スキルを載せたシンプルなページが最初のアプリとして最適です。
要件が多すぎてまとまらない
→ 機能は最大3つに絞りましょう。残りは「将来の改善候補」としてメモしておいてください。
STEP 1-2: System Instructions でAIの役割を設定する
Google AI Studioの「System instructions」にAIの振る舞いを設定すると、一貫性のある高品質なコードが生成されます。
▲ Google AI Studio の System instructions 設定とチャット画面
設定手順:
https://aistudio.google.comを開く- 「New chat」をクリックして新しいチャットを開始
- チャット画面の上部または右側に「System instructions」の入力欄を探す
- 以下のプロンプトをコピーして貼り付ける
- 入力欄の外をクリックして保存(自動保存されます)
あなたは優秀なWebフロントエンドエンジニアです。 以下のルールでコードを生成してください。 【コードのルール】 - HTML / CSS / JavaScript の3つを1つのHTMLファイルにまとめて出力する - JavaScriptは <script> タグ内に書く。外部ファイルは使わない - CSSは <style> タグ内に書く。外部ファイルは使わない - 外部ライブラリは CDN リンク(<script src="https://...">)で読み込む形式にする - 生成するコードは必ず完全なHTMLファイルとして動作するようにする 【デザインのルール】 - モダンでシンプルなデザインにする - スマートフォンでも見やすいようにレスポンシブデザインにする - フォントはGoogle Fontsを使ってよい(CDNで読み込む) 【出力のルール】 - コードは必ずコードブロック(```html〜```)で囲んで出力する - コードの後に「このコードでできること」「変更するとよいポイント」を日本語で説明する - 日本語で回答する
一度設定すれば、そのチャット内のすべてのAI回答に適用されます。新しいチャットを始めると設定がリセットされるので、毎回設定してください。よく使う設定はメモ帳等に保存しておくと便利です。
⚠️ エラーが出た場合
英語で回答が返ってくる
→ System Instructionsの末尾に「必ず日本語で回答してください」を追記して再実行してください。
「このリクエストは処理できません」と表示される
→ 利用レート制限(無料枠の上限)に達した可能性があります。数分〜1時間待ってから再試行するか、右側パネルで別モデルに切り替えてください。
STEP 1-3: プロンプトを組み立ててコードを生成する
System Instructionsを設定したら、アプリの生成プロンプトを入力します。以下は自己紹介ページとTodoリストの2つのコピペ用プロンプトです。
以下の要件で自己紹介ページを作ってください。 【アプリ名】 自己紹介ページ 【ページの内容】 - ヘッダー: 名前と肩書き(プレースホルダーテキストでOK) - プロフィール写真エリア: 丸いプレースホルダー画像(実際の画像はなしでOK) - 自己紹介文: 2〜3段落のサンプルテキスト - スキル・趣味: アイコン付きのリスト形式(3〜5項目) - 連絡先: メールアドレスとSNSのプレースホルダーボタン 【デザイン】 - 全体の雰囲気: シンプルでプロフェッショナル - メインカラー: 落ち着いた青(#3B82F6) - 背景: 白または薄いグレー - フォント: Noto Sans JP(Google Fonts) 完全に動作するHTMLファイルとして出力してください。
以下の要件でTodoリストアプリを作ってください。 【機能要件】 1. テキストを入力して「追加」ボタンまたはEnterキーでTodoを追加できる 2. 各Todoにチェックボックスがあり、クリックで完了/未完了を切り替えられる 3. 完了したTodoは取り消し線スタイルでグレーアウトする 4. 各Todoに「削除」ボタンがあり、クリックで削除できる 5. 入力欄が空の状態で追加しようとしたら「タスクを入力してください」と警告を表示する 6. Todoの件数を「残り X件」として表示する 【デザイン】 - 全体の雰囲気: カードスタイルのシンプルなUI - メインカラー: 緑(#10B981) - 最大幅 600px、中央揃えのレイアウト - フォント: Noto Sans JP(Google Fonts) 完全に動作するHTMLファイルとして出力してください。
❌ 「かっこいいデザインで」→ ✅ 「メインカラー #3B82F6 のシンプルなカードレイアウトで」
❌ 「エラー処理を入れて」→ ✅ 「入力が空のとき赤枠と「入力してください」の警告テキストを表示」
❌ 「使いやすく」→ ✅ 「入力欄にフォーカスを当てて、Enterキーで送信できるように」
⚠️ エラーが出た場合
コードが途中で切れてしまう(出力が不完全)
→ 右側の「Run settings」パネルで「Max output tokens」の数値を増やして再実行してください。または以下のプロンプトを送信してください:「コードが途中で切れています。続きを </html> まで出力してください。」
STEP 1-4: 生成コードを確認・調整する
AIが生成したコードをそのまま使う前に確認します。以下のチェックリストを使って品質を確認してください。
☐ コードブロック(```html〜```)で囲まれた完全なコードが出力されているか
☐ <!DOCTYPE html> で始まり </html> で終わっているか
☐ <style> タグ内にCSSが書かれているか
☐ <script> タグ内にJavaScriptが書かれているか
☐ 日本語テキストに文字化けがないか
出力されたコードを確認しましたが、以下の点が要件と違います。 修正してください: [何が違うかを具体的に書く] 完全なHTMLファイルとして再出力してください。
⚠️ エラーが出た場合
生成されたコードのどこをコピーすればいいかわからない
→ Google AI Studioのコードブロック右上に「コピー」ボタンがあります。クリックするだけで全コードがクリップボードにコピーされます。
コードが複数に分割されて出力された
→ 「全てのコードを1つのHTMLファイルにまとめて再出力してください」と追加で依頼してください。
Phase 2: コードの確認・修正(Cursor)
STEP 2-1: 生成コードをCursorのHTMLファイルに貼り付ける
作業フォルダを作り、生成されたHTMLコードを貼り付けます。
1. エクスプローラーを開く
2. わかりやすい場所に作業フォルダを作る(例:
C:\Users\ユーザー名\Projects\my-app)3. 作成したフォルダを右クリック → 「Cursorで開く」(または Cursor の「File → Open Folder」から選択)
1. Finder でホームフォルダを開く
2. 「新規フォルダ」で
Projects/my-app フォルダを作成3. Cursor で「File → Open Folder」からフォルダを選択
▲ Cursorでindex.htmlを作成してコードを貼り付け
- Cursor の左サイドバーの空白部分を右クリック → 「New File」
- ファイル名を
index.htmlと入力して Enter - Google AI Studio で生成されたコード(コードブロック内のHTMLコード全体)をコピー
- Cursor の
index.html編集画面にCtrl+V(Mac:Cmd+V)で貼り付け Ctrl+S(Mac:Cmd+S)で保存
⚠️ エラーが出た場合
フォルダをCursorで開く方法がわからない
→ Cursor を起動して「File」→「Open Folder」でフォルダを選択してください。
「Cursorで開く」右クリックメニューが出ない(Windows)
→ Cursor のインストール時に「コンテキストメニューに追加」オプションを選択しなかった可能性があります。Cursor の「File → Open Folder」から手動で開いてください。
STEP 2-2: ブラウザでプレビュー確認する
2つの方法でブラウザプレビューを確認できます。方法Aが最も簡単で、方法BはリアルタイムのHMR(ホットリロード)ができます。
【Windows】エクスプローラーで
index.html を右クリック → 「プログラムから開く → Chrome」【Mac】Finder で
index.html を右クリック → 「プログラムから開く → Google Chrome」ブラウザで
file:///C:/Users/.../index.html のようなURLで表示されれば成功
1. Cursor の「Extensions」アイコンをクリック
2. 「Live Server」(Ritwick Dey 作)を検索・インストール
3.
index.html を開いた状態で、画面右下の「Go Live」ボタンをクリック4.
http://127.0.0.1:5500 でブラウザが自動で開く
⚠️ エラーが出た場合
表示が真っ白になる
→ ファイルがちゃんと保存されているか確認(Cursor のタブにドットがついていたら未保存)。コードの先頭が <!DOCTYPE html> になっているかも確認してください。
日本語が文字化けする
→ <meta charset="UTF-8"> がHTMLの <head> 内に含まれているか確認してください。
Live Server の「Go Live」ボタンが見当たらない
→ Cursor の右下のステータスバーを探してください。index.html を開いた状態でないと表示されない場合があります。
STEP 2-3: スクショで修正指示を出す(Cursor Agent)
ブラウザで確認して「ここを直したい」という箇所が見つかったらスクショで修正依頼します。
▲ Cursorのエージェントモードでスクショを使って修正
① 修正したい箇所のスクショを撮る(Win: Win+Shift+S / Mac: Cmd+Shift+4)
② Cursor のチャット(Ctrl+L / Cmd+L)を開く
③ モードを「Agent」に切り替える
④ スクショを Ctrl+V で貼り付け + テキストで補足
⑤ 送信 → AIが修正コードを提案
⑥ 差分を確認して「Accept」
⑦ ブラウザをリロードして確認
添付のスクショを見てください。 [修正したい箇所]が[どんな状態か]になっています。 [どう直したいか]に変更してください。 HTMLファイル全体を修正して出力してください。
添付のスクショを見てください。 スマートフォン表示でレイアウトが崩れています。 CSSのmedia queryを追加してスマートフォン(画面幅375px以上)でも 正しく表示されるように修正してください。
⚠️ エラーが出た場合
「Agent モード」が見当たらない
→ チャットパネル(Ctrl+L)を開き、入力欄の上部にあるモード切替ドロップダウンを確認してください。「Chat」「Agent」「Edit」などが選べます。
Accept したら意図と違う変更になった
→ Ctrl+Z(Mac: Cmd+Z)を数回押して元に戻し、より具体的な指示(「〜の部分だけ」「〜は変えずに」)を加えて再指示してください。
「Hobby プランのリクエスト制限に達した」
→ Google AI Studioで修正コードを生成して、Cursorに手動で貼り付ける方法に切り替えてください。または翌日リセットを待ってください。
STEP 2-4: 再確認・完成度を上げる
公開前に以下のチェックリストで最終確認します。スマートフォン表示の確認は必ず行ってください。
☐ PCブラウザで正常に表示されるか
☐ スマートフォン表示も確認したか(ブラウザの開発者ツール F12 → デバイスアイコンで確認)
☐ ボタンや入力フォームが正常に動作するか
☐ 日本語テキストに文字化けがないか
☐ 外部リンクを使っている場合、URLが正しいか
☐ プレースホルダーテキストを実際の内容に書き換えたか
1. ブラウザでHTMLファイルを開いた状態で
F12 を押す2. 開発者ツールが開くので、上部の「スマートフォン+PCアイコン」をクリック
3. デバイスを選択(例: iPhone 12 Pro)してスマートフォン表示を確認
⚠️ エラーが出た場合
スマートフォン表示でボタンが小さすぎる
→ Cursor Agent に「スマートフォン表示でボタンの高さを最低44px以上にしてタップしやすくしてください」と依頼してください。
特定のブラウザで表示が崩れる
→ 「Chrome・Edge・Safariで正しく表示されるようにCSSを修正してください」と依頼してください。
Phase 3: Vercelでインターネット公開
STEP 3-1: Vercelアカウントを準備する
Vercelは無料でWebアプリを公開できるホスティングサービスです。GitHubアカウントと連携して使います。
▲ Vercel サインアップ画面
- ブラウザで
https://vercel.comを開く - 「Sign Up」をクリック
- 「Continue with GitHub」を選択
- GitHub の認証画面で「Authorize Vercel」をクリック
- プラン選択: 「Hobby(無料)」を選択
- ユーザー名を入力してダッシュボードに進む
講座00の STEP 0-3 を先に完了してください。Vercel は GitHub アカウントと連携して使います。
⚠️ エラーが出た場合
GitHubとの連携でエラーになる
→ GitHubにログインした状態でVercelのサインアップページを開き直してください。
メール認証が届かない
→ 迷惑メールフォルダを確認してください。GitHubアカウントのメールアドレスとVercelのメールアドレスが一致しているか確認してください。
STEP 3-2: ドラッグ&ドロップでデプロイする
Node.js や Git を使わず、ファイルをドラッグするだけで公開できます。
https://vercel.com/newを開く- 画面の下部に「Or deploy from your local file system」という欄を探す
- エクスプローラー(Windows)または Finder(Mac)で
index.htmlファイルを確認 index.htmlファイルを Vercel のブラウザ画面にドラッグ&ドロップ- プロジェクト名を入力(例:
my-app) - 「Deploy」ボタンをクリック
- 数秒〜1分後に「Congratulations!」が表示される
https://プロジェクト名.vercel.appこのURLをスマートフォンやSNSで共有できます。
⚠️ エラーが出た場合
ドラッグ&ドロップの欄が見当たらない
→ Vercelのダッシュボード(https://vercel.com/dashboard)にアクセスし、「+ New Project」→「Browse」でファイルを選択する方法も使えます。
デプロイ後に真っ白なページが表示される
→ まずローカルのブラウザで index.html を開いて正常に表示されるか確認してください。正常なら再デプロイを試みてください。
STEP 3-3: 公開URLを確認して動作テストする
公開URLが発行されたら、PCとスマートフォンの両方で動作確認します。
- 表示された公開URL(
https://プロジェクト名.vercel.app)をブラウザで開く - 以下を確認する
- 確認できたら公開URLをコピーして、家族や友人に共有してみましょう!
☐ ページが正常に表示されるか
☐ スマートフォンでも確認する(QRコードを使うか、URLをLINE等で自分に送る)
☐ ボタンや動的機能が動作するか
☐ 文字化けがないか
⚠️ エラーが出た場合
公開URLでアクセスできない
→ Vercelのダッシュボードでデプロイのステータスを確認してください。「Error」と表示されている場合はデプロイログを確認してください。
スマートフォンで文字が小さすぎる
→ HTMLの <head> 内に <meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1.0"> が含まれているか確認してください。
Phase 4: 公開後の修正・改善サイクル
STEP 4-1: 公開アプリのスクショを撮って修正指示を出す
公開後に「やっぱりここを直したい」と思ったら以下のフローで修正します。
① 公開アプリで修正したい箇所のスクショを撮る
② Cursor でローカルの index.html を開く
③ チャット(Ctrl+L)にスクショを貼り付け+修正内容を入力
④ Agent に修正させる → Accept で反映
⑤ ブラウザでローカル確認(Live Server または直接ファイルを開く)
⑥ OKなら STEP 4-2 へ進んで再デプロイ
⚠️ エラーが出た場合
修正したら別の箇所が崩れた
→ Ctrl+Z で変更を取り消してから、「〜だけ変更して、他は一切変更しないでください」という制約を付けて再指示してください。
STEP 4-2: 修正したファイルを再デプロイする
Vercelのドラッグ&ドロップで再デプロイします。プロジェクトの本番URLは変わらず、中身だけ更新されます。
- Vercelダッシュボード(
https://vercel.com/dashboard)を開く - 対象のプロジェクトをクリック
- 「Deployments」タブを開く
- 「+ New Deployment」または「Deploy」をクリック
- 修正した
index.htmlを再度ドラッグ&ドロップ - 数秒後に新しいURLが発行される(古いURLにも自動で反映される)
プロジェクトの本番URLは同じまま、中身だけ更新されます。共有したURLをそのまま使い続けられます。
⚠️ エラーが出た場合
再デプロイ後も古い内容が表示される
→ ブラウザのキャッシュが残っている可能性があります。Ctrl+Shift+R(Mac: Cmd+Shift+R)で強制リロードしてください。
STEP 4-3: 改善サイクルを繰り返す
「公開→使う→修正→再デプロイ」のサイクルを繰り返すことで、アプリを継続的に改善できます。このサイクル自体がエンジニアの日常的な開発フローです。
課題A: 自己紹介ページを作ってVercelで公開する
☐
https://○○.vercel.app のURLでアクセスできる☐ スマートフォンで崩れずに表示される
☐ プレースホルダーテキストが自分の実際の情報に書き換えられている
☐ 少なくとも1回「修正 → 再デプロイ」のサイクルを経験している
課題B: 簡単なTodoリストを作ってVercelで公開する
☐ Todoを追加できる
☐ チェックで完了/未完了を切り替えられる
☐ 削除ボタンで削除できる
⚠️ エラーが出た場合
Todoアプリでページを更新するとデータが消える
→ localStorage を使ってデータを永続化できます。「Todoデータをlocalstorageに保存して、ページを再読込してもデータが残るようにしてください」とCursor Agentに依頼してください。